【世界の美靴シリーズ#3 TLB Mallorca 521 Lancaster】
今回はちょいとマイナーなメーカーさんのご紹介。
What's "TLB Mallorca"?
TLBのルーツは、同じスペイン・マヨルカ島内にある1961年に登場したブランド「YANKO(ヤンコ)」にあります。
同ブランドの創業者であるホセ・アルバラデホ氏と共に同社のCEOとしてヤンコブランドを発展・成長させたToni Llobera Barcelo氏が自身のイニシャルを冠して2017年にスタートさせたブランドがTLB Mallorcaです。
ちなみに、ホセ氏の方はというと、1997年にCarmina(カルミーナ)ブランドを新たに立ち上げ独立しています(先日お買い上げしたここのストレートチップの履き心地すごくいいです!)。
…というウンチクはまぁさておき、この靴、めちゃいいです。
実物を手に取って、試着したら何がどういいのか分かります。
かく言う私、自宅から最寄りのデパートの紳士靴売り場を何気なく見ていてたまたま発見→ビビッと衝撃を受ける→好きな色がなかったのでお取り寄せしてもらう→惚れてお買い上げ、という流れで買う予定もなかったのに買いました。笑
この靴…まず形がすごく綺麗!
そして履いてみて…踏まずから踵にかけてのフィット感、びっくり!
なのにお値段…カルミーナより数段お求めやすく!(アンダー5万円です)
多分、知名度があまりにまだまだなので、価格はカルミーナと同レベルまでには至っていないんでしょうが、アッパーに使用してるレザーはフランス・アノネイ社のベガノ(アニリンカーフ)で、めっちゃ馴染みやすそうです(まだ履き下ろしてないのに、プレメンテしてる段階で既に少し馴染んでます。やばい)。
正直、これまで買った靴の中で一番革質いいです。
しっとりもっちり、いつまでも触っていたい気持ちよさ…。
アニリン仕上げは水濡れに弱いという欠点はあるものの、顔料をほとんど使っていないので革本来の質感を味わえ、また何より革製品の醍醐味である経年による風合いの変化を楽しむことが出来る素晴らしい素材です。
ちなみに写真撮ってる段階でアッパーは既にミンクオイル2回キメてます。笑
次にラストの特徴について。
足入れしてみると驚かされるのが、踏まずから前の余裕が表記以上にあると感じられること!
これ、ローファーラストのJONESを使用しているので、本来ならそれなりにタイトなフィッティングになってもおかしくないところ、高さや幅に結構ゆとりがあるなぁと。
カルミーナのストレートチップ、結構大きめな作りのはずのRainラストでサイズ7を履いている私、この靴は6.5でジャストでした。
ローファーということで、紐靴よりもジャストサイズにこだわって選んでいるというのはもちろんあるんですが、それにしても快適なトゥです。
逆に踏まずから踵にかけてはグッと絞り込んだ作りで、踏まずの持ち上げ感が程よく感じられます。
そしてローファーで最も気になる踵のフィット感…めちゃピッタリ!
おかげで久々に踵にマメが出来ちゃいましたが笑
経験上、馴染むまでの間(通称:修業期間)が辛い靴ほど、馴染むと無敵の相棒になってくれると思ってます(もちろん限度はあります笑)。
これからじっくり慣らしていくつもりです。
修業期間も、可能な限り楽しみながら自分の一足にしていくことが出来たら良いな~。
そしてソール!
これもびっくりでした。
硬さとグリップのバランスが良い!
そしてソールの返りがめちゃいい!
少し硬めのラバーですが、最初からしっかり返る弾力性もあり、履き心地抜群です。
クロケットのシティーソールも素晴らしいと感じましたが、その一枚上行ってます。
レザーソールの方がドレッシーだし、クラシックだし、通気性も良いし、馴染めば返りもいいはずなんだけど、色々と気を遣うことが多いのも事実。
個人的には靴は履いてこそだと思っているので、どんな一日であれ気にせず履けるラバーソールが安心だなと思います。
こんな素晴らしいTLBの靴ですが、まだまだ取扱店も少なく、国内ではそれほどお目にかかる機会のないのが残念ですが、靴自体は間違いなくすごく良いので、人気・知名度を獲得するまで、それほど時間は必要ないのかなという印象です。
そうなるとす~ぐ値上げされちゃうので、欲しいと思った方、今のうちに買っておきましょう!